地方在住者と東京ディズニーランド

有給休暇を使って東京ディズニーランド(TDL)に行ってきた。
いま、 25周年記念と、ハロウィンイベントをやっている。ミッキー&ミニーのお化け版みたいなのがところどころにいて、これがかわいい。

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ゆっくりしていってね!!

ところで、4月に愛知から東京に越してきて TDL に簡単に来られるようになった。俺自身はディズニーに思い入れはなく、むしろまったく作品とかキャラクターを知らない。TDL に前回来たのも、中学の修学旅行以来だったので、まさに10年以上ぶりだ。今回はたまたまペアチケットをもらったのだ。

俺はいま高円寺に住んでいて、TDL までは電車で 1時間もあれば着く。しかしそのことを関東の友人に話すと、「1時間かー。結構遠いんだね」くらいのことを言われてしまった。地方出身者の俺は、その距離感覚に軽くめまいを覚えた。
関東の人には分からない感覚かもしれないが、地方にとっては、東京とか TDL というのは特別な存在なのだ。俺は愛知だったから愛知を例にするんだけど、愛知県民が TDL に行くとなると、日帰りというのはまずありえない。「TDL に行く」ということは、三日つぶさなければならないのだ。

一部の金持ちをのぞき、たいていの愛知県民は TDL に行くためには 名古屋発 TDL 行きの夜行バスというのがあるので、それを利用する。夜行バスなので、名古屋で夜10時とかに乗って、TDL に着くのは朝6時とかである。もちろんそんな時間には開場していないので、8時の開場までひたすら待つ。そして、開場。
そこからはもう、戦いである。俺の偏見であるが、基本的に地方出身者のほうが TDL に対してストイックであって、都心部の日帰り族よりもよほど下調べをしている。人混み、行列のなか、どれだけ多くのアトラクションにチャレンジできるか。どれだけ効率的にパレードを見るか。それは時に、もう面白いとか面白くないとかの次元じゃなくなってきたりもする。必死なのだ。
そしてお土産。これがね、ほんともう、大量。すげー高いのに。自分が TDL に行った証を残さなければならないのだ。
パレードを見て閉園時間を迎えると、今度は帰りの夜行バスに乗る。ここからが本当の地獄である。精も根も尽き果て、大量の荷物を抱えた、汗臭い男女が再びバスに乗り込むのだ。なにがまずいって、そもそも夜行バスで来ているので、風呂入っていないのね。それで一日中遊んで、また夜行バスに乗る。つまりまた風呂に入らないわけですよ。顔なんて当然べとべとだし、一日中キャラメルポップコーンだのチュロスだの食ってて口も臭い。もう女子なんて化粧が成立してない。そんな状態でまた夜行バス8時間ですよ。
明朝、名古屋に着いておのおの帰宅するわけだけど、その日はもう、疲れて動けない。

地方在住者にとって TDL というのはそういう場所なのだ。多分TDLまで1時間で行けるような距離で生まれ育った人にはこの感覚は決して伝わらないだろう。