Technobahnの日本語がひどい件について

Technobahn - 写真: Googleを怒らせたMITによる中国の衛星破壊実験の解析画像
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200702242026&ref=rss

一文一文がとにかく長い。それはいいとして、一番酷いのは次の文である。

この研究成果は直ぐにGoogleの知れ渡るところとなり、事を荒立てることで中国政府の反発を招き中国国内でのビジネスに影響が生じることを恐れたGoogleが中国が衛星破壊用のミサイルを発射したロケット発射基地の地図画像を判別できないように修正を加えるという事態に及んだ。

これ、パッと見で内容が把握できた人は、なかなかのもんだと思う。面白いので、揚げ足をとって、ちょっとずつ見ていこう。

この研究成果は直ぐにGoogleの知れ渡るところとなり、

「知った」のはGoogleであり、「知れ渡った」のは研究成果なので、「Google知るところとなり」もしくは「Google知れ渡り」とすべきでは。よくわかんないけど、多分そう。

さて、凄いのは次の節なんだけど、これが、丁度100文字あるんだけど、そのあいだ読点が一つもない。

事を荒立てることで中国政府の反発を招き中国国内でのビジネスに影響が生じることを恐れたGoogleが中国が衛星破壊用のミサイルを発射したロケット発射基地の地図画像を判別できないように修正を加えるという事態に及んだ。

なんだこれ。「Googleが中国が」のあたりに狂気を感じてしまう。
よくよく読むと、恐るべき事に主語は、
(事を荒立てることで中国政府の反発を招き中国国内でのビジネスに影響が生じることを恐れた)Google
なのである。うわあ。
この文をさらにややこしくしているのは、

事を荒立てることで

これだ。こいつは、ただでさえ主語が分かりにくいこの文において、なんと主語が文中に無いのだ。つまり、主語を探したって見つからない。「事を荒立てる」のは誰だ? この記事の文脈からすると、「研究成果を見た世間やマスコミ」なのだ。そんなこと、書いてない。
つまり、「荒立てる」じゃなくて、「荒立つ」ならまだ分からなくもない。それでもまだ気持ち悪いけど。

んで、結局、ミサイルを発射したのは誰? 判別できないのは誰? 修正を加えたのは誰? っていうのがすごく分かりにくい。「Googleが中国が」のせいである。

全体として直すなら、こんな感じだろう。

この研究成果は直ぐにGoogleの知るところとなった。
中国国内でのビジネスを積極的に展開しているGoogleは、
中国政府の反発によるビジネスへの影響を恐れ、地図画像に修正を加えた。
修正を行ったのは、中国が衛星破壊用のミサイルを発射した、ロケット発射基地の部分である。
(mirakuiによる修正案)

うーん。いくらかはマシになってるかな。
ただ、字数に限りがある新聞記事としては、この修正案は許される文ではないと思う。

この記事はどういう人が書いてどういうチェックを受けたのだろう。それが気になって気になって。